宅建士は誰の何を引き受けるか
宅地建物取引士の値打ちは、法律の条文にそのまま書かれています。 住まいを買う人・借りる人への重要事項の説明は、宅地建物取引士にさせなければならない。 そして事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置かなければ、会社は営業所を開けません。 令和7年度は受験245,462人・合格45,821人でした。
重要事項の説明は資格者だけ
宅地や建物を買う人・借りる人への重要事項の説明は、宅地建物取引士にさせなければならない。住まいを買う場面で、契約の前に必ず起きる説明である。ここに立てるのは資格者だけ。
事務所ごとに、国土交通省令で定める数の専任の宅地建物取引士を置かなければならない。抵触する事務所は開設できない。資格者がいなければ、会社は営業所を出せない。
住まいは、多くの人にとって人生でいちばん大きな買い物です。 その契約の前に、権利関係も、法令上の制限も、 ライフラインの整備状況も説明を受けることになっています。 その場に立てるのは資格者だけで、買う側には資格者に頼る以外の道がありません。
説明する項目は法律が決める
何を説明するかも法律が並べています。宅地建物取引業法35条が挙げているのは、 その土地や建物に登記された権利の種類と内容、 都市計画法や建築基準法などの法令に基づく制限、 私道に関する負担、飲用水・電気・ガスの供給と排水施設の整備状況などです。
どれも、住んでから困る種類のことばかりです。 買う人が自力では調べきれないものを、契約の前に必ず出させるのがこの条文の役目で、 その担い手として法律が名指ししているのが宅地建物取引士です。
5人に1人いないと開けない
置く人数まで決まっています。その事務所で業務に従事する者の数に対する宅地建物取引士の数の割合が5分の1以上でなければ、 その事務所は開設できず、既存の事務所が足りなくなったときは 2週間以内に足さなければなりません。
出どころ: 国土交通省 「宅地建物取引業法施行規則第15条の5の3(法第31条の3第1項の国土交通省令で定める数)」(2026-08-23に確認)。
つまり資格者の数が、会社が出せる店舗の数を決めています。 これは「持っていると有利」という話ではなく、 事業の側が資格者を必要としている、という構造です。
不動産以外から受ける人が多い
合格者の職業別の構成比です。不動産業は33.2%で、 残る66.8%は不動産業以外でした。
| 職業 | 合格者に占める割合 |
|---|---|
| 不動産業 | 33.2% |
| 他業種 | 27.9% |
| その他 | 11.3% |
| 学生 | 10.9% |
| 建設業 | 8.7% |
| 金融業 | 8.1% |
出どころ: 不動産適正取引推進機構の公表資料(令和7年度)。 合格者の平均年齢は36.2歳です。
建設業や金融業でこの資格が効くのは、扱う対象が同じだからです。 土地と建物の権利、法令上の制限、契約の形。 不動産を担保に取る側にも、造る側にも、同じ知識が要ります。
学生が10.9%を占めるのも、 この試験の特徴です。受験資格に制限が無く、実務経験も要りません。 働き始める前に取っておける国家資格のひとつになっています。
取る点を決めれば範囲も決まる
令和7年度は申込306,099人に対し受験245,462人、 合格率18.7%でした。年1回・10月の試験です。
合格ラインは満点ではありません。50問のうち何点を取ればよいかは年ごとに動きますが、 取る点を先に決めれば、勉強する範囲もそこで決まります。 どの科目に何点を配るかを決めないまま始めると、範囲は出題範囲の全体になります。
取り方は宅建の合格点は何点かに、 覚え方は宅建の暗記カードの作り方にまとめました。 続くかどうかが心配なら、 勉強嫌いは頭の問題ではないもあわせてどうぞ。
進め方の詳しい話は宅建の学習ガイドにあります。
よくある疑問にお答えします
宅地建物取引士にしかできない仕事は何ですか。
宅地や建物の売買・交換・貸借で、契約が成立するまでの間に行う重要事項の説明です。宅地建物取引業法35条は、この説明を宅地建物取引士にさせなければならないと定めています。
不動産業界にいなくても意味がありますか。
令和7年度の合格者のうち不動産業は33.2%で、残る66.8%は他業種・建設業・金融業・学生などです。不動産業界の人だけが取る資格ではありません。
宅建士がいないと会社は何ができないのですか。
事務所を開けません。宅地建物取引業法31条の3は事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置くことを義務づけており、その数はその事務所で業務に従事する者の数に対する宅地建物取引士の数の割合が5分の1以上と定められています。
宅建の受験者数はどれくらいですか。
令和7年度は申込306,099人・受験245,462人で、合格45,821人・合格率18.7%でした。
何歳くらいの人が受かっていますか。
令和7年度の合格者の平均年齢は36.2歳です。受験資格に制限が無く、学生から社会人まで幅があります。
最終更新: 2026-08-23 / 数字は配信しているデータを実測した値です。